心地良い波の音。
潮風が頬を掠め、磯の香りをめいっぱい吸い込んだ。

音、香り、五感を擽る全てが愛おしく
どうにかこの気持ちを表現出来る方法はないものかと考える。

考え付いた言動はとても褒められたものじゃないだろう。
私以外の人間には到底真似出来ない、酷く恥ずかしい行動だ。





「滄我ー!愛してるぞー!」





海に向かい、これでもかと言う大声で叫ぶ。

この声は何処まで届いただろうか。
遠くにいる人達まで、滄我本人まで届いただろうか。

波の音は私の声を呑み込み、心地良い音を立てる。
まるでこれが返事だと言わんばかりに。

これからもずっと、この世界を見守ってね。
口には出さず胸の内でそう呟けば、波はもう一度大きく揺れた。





耳に届く足音。
導かれるよう、ゆっくりと振り返る。

そこにはいつも通り、馬鹿な事をする私に微笑む彼がいて
今この幸せを噛み締める事が出来るのも滄我がいるお陰なんだと、
私はもう一度感謝の言葉を口にした。










7.滄溟(ソウメイ)広く青々とした海/はるかな天空
一番レジェっぽいお題だったので、レジェっぽくを目指して!(`・ω・´)
修正:14/01/29