「さてと…そろそろ覚悟は良いですか?」





そろそろと言われても私の意思は変わらない。
お願いします助けてください青竜様。





「いつまでも嫌がってたら治るものも治らないでしょう」
「良いよ!治らなくて良い!」
「我儘言わないでください!」





四肢全てを使い暴れ回る私をジェイは巧みに拘束し、忌々しい物を掲げる。





「ほら、早く!」
「い、やだ…そんなの食べ物じゃない!」





本当に風邪なのか?と突っ込まれる程勢いよく手足を振り回し
私はジェイの手中にあった“粉薬”を叩き落とした。

フローリングに粉薬が散らばる。

床に落ちればこっちのものだ。
これでもう飲まされなくて済む。

…―――そう、思っていたのに。





「ああ…折角の薬が台無しじゃないですか…」





ジェイはそう言いながらもゆっくりと屈み薬を拾う…って、何故拾う?
異様な行動を前に、私は恐怖を覚えていた。





「まあ、三秒ルールと言うものもありますしね」
「な、ない…!って言うかもう三秒経ってるよ…!」
「そうですか?そんな気はしませんけど」





ジェイは躊躇もせず、摘まんだ薬と自らの舌の上に乗せ口内へと忍ばせる。
チロリと見えた舌が酷く赤く見え、ゾクリと身が震えた。





「人の好意を踏み躙った貴女を本当は叱るべきなのですが、今日は気分が良いんです」

「折角だから“僕”が“親切”に飲ませてあげますよ…粉薬を」





ああ、青竜様。
いつになったら私をこの男から助けてくれるんですか。










9.青竜(セイリュウ)吉兆をあらわす青い竜/四神の一つで東方神/シャコの別名/金星
でも最近の粉薬は飲みやすいですよね
修正:14/01/29